株式会社丸本組 様

宮城県石巻に本社を構える株式会社丸本組様。2011年3月11日、東日本大震災にて発生した津波で本社社屋は水没し壊滅的なダメージを受けました。
2013年6月、新社屋で営業を開始し現在に至るまで、丸本組様では防災に対する取組み・新しいチャレンジを繰り返してきました。今回は、震災発生時の状況と、安全管理への強い思いを伺いました。

震災発生時から現在まで

震災発生時は、社員の安否確認だけでも3日、自社船の状況がわかったのは4日目のことでした。緊急用無線は用意していたものの、停電による電力不足のため、現状確認が大変な状況でした。本社は津波にのまれ、自社船は2隻を失いました。

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震災後の復旧の第一は、海上のがれきの撤去。残された船舶を出し、2年の月日をかけて、がれきの撤去は終了しました。当時は漁場のロープやタル・網・車等さまざまな流されたものが絡みつき、1本のロープを引き上げるだけでも大仕事。沿岸海域はロープだらけの状況でした。

震災を経験し、防災・安全管理の考え方が変わった

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震災による津波の被害から2年半、2013年6月恵み野に本社を移転し新たなスタートを切りました。震災を境に防災に対する意識は変わり、本社社屋に免震構造を採用したことはもちろん、災害発生時には周辺住民含めた緊急避難用の場所を設けています。

工事用船舶の安全管理に対する考え方も変わりました。自社船のリアルタイムの現在位置は日常から把握していなければならない。他社船(傭船)についてもそれは同じこと。自分のところの仕事をしているんだから、安全の担保は我々がすべきという考えです。

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自社船、他社船の位置情報は、本社オフィス、現場事務所、それぞれで大型モニターに映し出し常に情報共有を図っています。社員にはiPadを配り、iPadでも船舶の状況が確認できるようにしている。

運航管理画面の地図上にAIS(船舶自動識別装置)搭載船舶の位置情報を重ね合わせることで、大型船舶の往来状況が手に取るようにわかるので、安全管理面でも活用している。
生コンクリートの材料となる洗砂は北海道から定期船で運搬しているが、AISで定期船の運航状況が確認できるので、到着時刻の予想にも役立てている。

作業員の安全確保は、最終的には様々な面で効率化につながっているんです。

船は所詮モノ、人はなくなったらおわり

津波が来ることがわかったら、海上航行中の船はより沖へ、岸壁接岸中の船はそのまま船を捨てて逃げろと、はっきり伝えています。船は所詮モノ、人はなくなったら終わりですから。

とはいっても、仕事を途中で投げ出す判断は難しい。自社船だけでなく、他社船もいるし、そこには必ずお金がからむ。今でも余震は続いています。現場では一瞬の判断をしなければ安全が確保できない。だからこそ、リアルタイムで正しい判断ができるツールが必要になるのです。

空から見えるいい仕事

創業から70期を迎える丸本組、いろいろなことにチャレンジする会社であるが、経営方針として一つの言葉がある。

「空から見えるいい仕事」

施工したモノは、空から見ると良し悪しは一目瞭然。空から見ても恥ずかしくないものを創っていきたいという思いがこの言葉に込められている。丸本組では、「空から見える」をカタチにするため、空撮用のヘリコプター導入を予定している。施工前、施工後の空撮写真を比較したり、地域全体を撮影し、空からの移り変わりを定期的に記録していきたいとの思いがある。運航管理システムも空から見える仕事のひとつ。

実際に被災したからこそ分かる防災・安全管理の重要性。丸本組のチャレンジはこれからも続く。

今回の工事、システムの概要

工事の概要

地震によって地盤沈下した防波堤の復旧延長、防波堤に消波ブロックを据付ける工事において、自社船、他社船に運航管理システム(VasMap)を導入。

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システムの概要

VasMapは、堅牢型のスマートフォンを船舶に置くだけで、船舶の現在位置を送信、地図上で保有船の位置を把握できるシステム。
危険エリアをあらかじめ設定しておくことで、危険エリアに接近すると音声で警報を知らせる機能や、地図上にAIS搭載船舶の位置情報を重ね合わせることで、本船航路上の往来船舶が確認できる機能などを搭載している。

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AIS(船舶自動識別装置)とは

AIS(Automatic Identification System 船舶自動識別装置)は、自船の識別符号、船名、位置、針路、速力、目的地などをデータ発信するVHF帯デジタル無線機器のこと。300総トン数以上の船舶に搭載義務があります。VasMapでは、日本全国の主要沿岸域に設置されたAIS無線受信機のデータを集約し、地図上に重ね合わせ表示することで、工事海域の安全航行のための補助的な情報として提供しています。

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お客様プロフィール

株式会社丸本組

システムの詳細については ⇒「VasMap 運行支援システム 」

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