水中で安全・正確に構造物を据付け

水中測位装置、RTK-GNSSによる水中位置決めシステム。正確性と安全性を向上

今回は、防波堤消波ブロック設置工事における、被覆ブロックおよびアスファルトマット据付の水中位置決めシステムをご紹介します。

被覆ブロック・アスファルトマットを消波ブロック手前に敷設することで、海岸浸食防止、護岸の洗掘防止等の効果が得られます。起重機船クレーン敷設作業においては、水中のうねりによる据付け対象物の動揺が発生し、正確な位置への敷設を妨げられます。また、うねりによる海底の砂地盤の舞い上がりにより、潜水士の安全管理に悪影響を与える場合があります。よって、水中の据付け対象物および潜水士の位置を正確に把握できるシステムが求められています。

本案件では、高精度なトランスポンダーとRTK-GNSSを使用して、据付け対象物および潜水士の位置を平面図および断面図で表示するためのシステムを開発・使用しました。

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USBL方式 水中測位装置とは

USBL(Ultra Short Base Line)方式 水中測位装置は、ブロードバンド・アコースティック・スプレッド・スペクトラム信号処理方式を用い、小型、軽量、低誤認率を実現した水中方式/距離探知装置です。

USBLでは、音波の往復時間と水中音速から、トランスポンダーまでの距離を決定し、USBLの受波アレイ(複数の受波素子を並べたもの)での位相差から角度を決定し、トランシーバー(送受波機)に対する三次元空間内でのトランスポンダーの相対位置を求めることができます。また、トランシーバーの地球座標での位置(緯度・経度)と姿勢角(水平からの傾きと方位)にトランスポンダーの相対位置を加えることで、トランスポンダーの緯度・経度を得ることができます。

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トランシーバー仕様

周波数 ビーム幅(度) ターゲット数 通信距離 位置精度(度) 位置精度
(斜距離cm)
サイズ
31.0~43.2kHz 120度 最大16 1,000m 0.25度 20cm 13×24cm 3.5kg

システム構成

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設置・テスト計測

起重機船への設置

トランシーバー、モーションセンサー、RTK-GNSS(移動局)、GNSSコンパスを取付ポールに組込みます。
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ポールは、テスト計測のため、作業船左舷側に取付しました。
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GNSS基地局の設置

防波堤上にGNSS基地局を設置します。

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テスト計測

トランスポンダーをテスト計測位置に着底させます。今回の案件では、約10mの深さにトランスポンダーを設置しました。

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今回のテスト計測では、下げ振り計測との差異を計測しました。下げ振り計測では潮流によるズレを含んでいるため、下げ振り計測の結果と、水中位置決めシステムの計測結果とは必ずしも一致しません。

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据付け作業計測

実際にアスファルトマット敷設作業において、水中位置決めシステムにて計測を行ないます。計測用の機器類・計測用PCは、起重機船上の小屋に集約し、計測中のPC画面は無線LANにてクレーンオペレーターも見られるよう構成しました。

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トランスポンダーは、アスファルトマット吊り金具の両端および、潜水士に取付しました。

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アスファルトマットの敷設を行ないます。敷設位置は、リアルタイムにて計測画面上に表示されます。画面上の青い領域がアスファルトマット敷設目標位置、紫色の枠が現在の吊り金具の位置、①・②が潜水士の位置を示しています。

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最後に

今回の計測においては、米盛建設株式会社様にご協力いただきました。

アカサカテックでは、水中位置決めシステムのソフトウェア提供・カスタマイズ、トランスポンダー機器類のレンタルを行なっております。ご興味ご関心のある方は、弊社までお問い合わせ下さい。

システムの詳細は ⇒「USBL方式水中測位装置」

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