活用事例
第二音戸大橋架設での起重機船/橋脚の誘導システム
3500トンの構造物をセンチ精度で誘導
国内最大級の起重機船を用い、橋桁(長さ200m 約3500トン)の一括架設方式を行った『第二音戸大橋』の新設工事にて、弊社の誘導システムが導入されました。RTK-GNSSを用いた作業船の位置誘導システムの解説と共に、今回の事例について簡単にご紹介します。
- 建設業向け
第二音戸大橋の新設工事
流れが急な上に幅が狭く、さらに航路閉鎖時間も限られている状況下で、正確で安全な起重機船・橋桁の誘導が求められた『第二音戸大橋』の新設工事。
東京ゲートブリッジの架設でも採用された起重機の誘導、橋桁の位置、姿勢監視システムに加え、工事区域外に橋桁が侵入しないように監視する新たなシステムを開発導入。
一般住宅や工事区域外(安全な場所)にいる人の頭上に、起重機船が吊っている物がおよぶことを防ぎ、より安全な工事を実現しました。
現地調査/GNSS設置
架設作業前の現地調査として、架設位置、基地局設置予定箇所、水切り位置確認を行い、起重機船へGNSSアンテナの設置もこの段階で済ませます。GNSSの受信状況においても入念に調査し、場合によっては予備システムの検討も行います。
事前現地調査
GNSSアンテナ取付
橋桁機材設置
橋桁アンテナケーブル敷設
架設前日
架設前日には起重機船に荷重をかけるため、この段階で全システムを立ち上げる必要があります。吊り上げ始めたら橋桁には登ることはできず、不具合が起きても調整することができなくなるため、事前に入念な確認が必要になります。玉掛け作業を行い、起重機船に荷重(50%程度)をかけた状態で翌早朝の作業に備えます。
システムの動作確認
誘導ソフト画面
起重機船に荷重をかけた状態で終了
架設当日 設営
事前に準備した全システムの正常を確認。巻き上げが開始され、橋桁が水切りされます。航路閉鎖時間まで吊り上げた状態で待機し、航路閉鎖時間後に起重機船を航路内に進入させます。事前に設定した目標位置まで、本システムを活用して船長が起重機船を誘導指示します。起重機船の移動を終えると、次は架設誘導を行います。橋桁の両端がエリアを越えないようにクリアランスを確認しながら、目的位置までセンチ精度の誘導を行います。
深夜2時吊り上げ
起重機船の移動
架設位置への誘導
架設位置への誘導2
架設位置への誘導3
架設位置への誘導4
起重機船の移動画面1
起重機船の移動画面2
起重機船の移動画面3
起重機船の移動画面4
架設当日 機材撤収
架設誘導を終えると無事ボルト固定され、起重機船の玉掛けワイヤーの撤収が行われる段階で、弊社GNSS・センサーなどの機材撤収を行います。
ボルトで固定
橋桁と橋脚が繋がる
奥に音戸大橋、手前に第二音戸大橋 作業は無事完了
今回使用された製品
製品紹介
RTK-GNSSを起重機船、橋桁に2台設置し、ポジションだけではなく、方向もリアルタイムに確認できます。工事区域外と橋桁端との距離のクリアランスを表示させることで、オペレータは、PCの画面を見ながら注意・警告を行い、架設位置へ正確に誘導することが可能です。
トータルステーション等による従来型の誘導に比べ、視通を確保する必要がなく、また天候に左右されないなどGNSSの利点を生かすことができます。(トータルステーションの併用も可能です)