活用事例
『着桟支援システム』で箱根海賊船の安全運航を支援
新造船ロワイヤルIIで採用 着桟支援システム/客室情報モニター
神奈川県箱根町芦ノ湖で人気のアトラクションである箱根海賊船。2013年3月、先代ロワイヤル号が引退し、新造船ロワイヤルIIが運航開始しました。新造船ロワイヤルIIには、最新の航行装置やバリアフリー対応設備が整えられています。この度、当社が新造船ロワイヤルIIに関わったシステムとして、『着桟支援システム』と『客室情報モニター』を紹介します。
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箱根海賊船
年間1千9百万人の観光客が訪れる神奈川県箱根町の芦ノ湖。湖の青に山々の緑、雄大な富士山が景色を彩る芦ノ湖に、ひときわ人気を誇るのが箱根海賊船。歴史上の帆船戦艦を題材に、3隻の海賊船が多くの観光客を楽しませています。
2013年3月、先代ロワイヤル号が引退し、新造船ロワイヤルIIが運航開始しました。新造船ロワイヤルIIには、最新の航行装置やバリアフリー対応設備が整えられています。
着桟支援システムの概要
新造船ロワイヤルIIで採用された『着桟支援システム』は、海賊船の運航時、着桟時に湖岸線・桟橋と自船の位置を画面上に表示し、安全な運航・着桟操船を支援します。
通常、操船者は目印となるブイや湖岸を目視し、レーダーなどの航行装置の表示を参考にしながら現在位置を把握し、船速や進入角度を調整して航路を決定しますが、芦ノ湖は地理条件的に濃霧が発生しやすいため、航路の視認性が悪くなることがあります。
着桟支援システムでは、画面上で自船の現在位置を確認できるため、ブイや湖岸からの距離を視覚的に確認できます。運航支援装置は、日常時はほとんど操作なしで利用でき、現在位置に応じて図面を適切な縮尺で表示するようになっています。
背景図の測量
桟橋、湖岸線およびブイの位置は、当社スタッフが2cmの精度にて測量しました。測量には、当社開発ソフトウェアMobile-GPMateおよびトプコン社製GNSS HiperIIを使用しています。Mobile-GPMateとHiperIIの組み合わせであれば、計測アンテナとPDAだけでケーブルレスで高精度な測量が可能になります。
YouTubeでも紹介
YouTube 箱根海賊船公式チャンネル でも紹介されています。
※ 紹介部分は開始10:10~
客室情報モニターのシステム概要
新造船ロワイヤルIIで採用された『客室情報モニター』は、高齢者、聴覚等のハンディーのある方々に現在の運航状況(到着予定時刻や自船位置)を伝えるシステムです。霧が出て運航ダイヤが変更になる場合などには、お客様に音声や視覚的に現在の情報を提供します。緊急時の際は、お客様を安全に誘導できるように、船内の緊急避難経路や、救命設備の説明なども動画で説明し、お客様の安全確保に役立てています。
近年は、アジアをはじめ海外のお客様が多く訪れることもあり、多言語(日本語、英語、中国語、韓国語)での情報案内も行っています。芦ノ湖周辺には、箱根神社や関所跡、深良水門など、数多くの名所があり、一般のお客様向けに観光案内情報を写真と動画で案内する機能もあります。
客室内
船内には10台のモニターが設置されており、現在の運航状況がリアルタイムで表示されます。
ブリッジ内
10台のモニターは、ブリッジに設置したタッチパネル型のコンピュータで集中管理されており、タッチパネルの簡単な操作で、船員様の安全運航を妨げることなく利用できます。ブリッジ内は場所も限られるため、壁掛けで省スペースに設置できるという特徴もあります。
最後に
今回の取材においては、箱根観光船株式会社様にご協力いただきました。
AKTでは、GNSSを応用したシステム/ソフトウェアの長年の開発経験を生かし、お客様の安心安全のためのお手伝いをさせていただいています。
今回使用された製品
製品紹介
着桟支援システム
着桟支援システムは、GNSSの位置情報を用いて湖岸線・桟橋と自船の位置を画面上に表示し、安全な運航・着桟操船を支援するシステムです。濃霧の影響により、航路の視認性が悪い場合などでも、画面上で自船の現在位置を確認できるため、ブイや湖岸からの距離を視覚的に確認できます。運航支援装置は、日常時はほとんど操作なしで利用でき、現在位置に応じて図面を適切な縮尺で表示するようになっています。
客室情報モニター
客室情報モニターは、高齢者、聴覚等のハンディーのある方々に現在の運航状況(到着予定時刻や自船位置)を伝えるシステムです。霧が出て運航ダイヤが変更になる場合などには、音声や地図表示でお客様に現在情報を提供します。緊急時は、お客様を安全に誘導できるように、船内の緊急避難経路や、救命設備をムービーで説明し、お客様の安全確保に役立てています。