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基礎知識

マシンガイダンス(MG)とマシンコントロール(MC)の違いと導入メリット!

大小さまざまな建設現場での導入が広がっているICTですが、ICTとは一体どのような技術なのでしょうか。この記事では、ICTの役割や導入の効果について詳しく解説しています。
   
また、ICTを進める上で大きな役割を担っているマシンコントロールやマシンガイダンスについても併せてご紹介します。双方の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

  • 建設業向け
  • メーカー向け
  • インフラ保全業向け

建設や土木業で導入されているICTとは


   
建設業や土木業では、ICTが積極的に導入されています。ICTを導入することにより、建設機械の性能や効率が従来より上がっているのです。
 
ICTとは「Information and Communication Technology」の略称で、情報通信技術のことを指します。人と人とのコミュニケーションを手助けすることが目的であり、教育現場や防災などあらゆる分野で人々をサポートするのに役立ちます。ICTはデジタル化が進む現代において、必要不可欠なテクノロジーなのです。
  
国交省では、建設現場での生産向上を目的として『i-Construction(アイ・コンストラクション)』という施策をもとに、ICTの全面的な活用を進めています。導入協議会の設置や現場実証を行い、建設にかかわる人たちの安全性の確保と賃金水準の保障を目指しています。
  
マシンガイダンスやマシンコントロールは、建築現場でICTを進める上で必要な技術であるとともに、建築における「業務効率」と「精度」を上げる機能としても大きな役割を担っています。
 

令和4年度i-Constructionに関する工種類拡大の内容を解説!

マシンコントロール(MC)とマシンガイダンス(MG)


   
マシンコントロールとマシンガイダンスは、建機に搭載できるサポート技術の名称です。既存の機器にも取り付けられ、あらゆる作業をサポートしてくれるため、経験が浅いオペレーターでも建設機の操作が容易になります。
  
● マシンコントロール(MC)‥ 建機を半自動で操縦できる機能のこと
● マシンガイダンス(MG) ‥ オペレーターをガイダンスでサポートする機能のこと

   
建機がデータを受信し、データに基づいて操縦するという点ではどちらも同じです。しかし、マシンガイダンスの場合はマシンコントロールのように半自動で操縦できるわけではないため、従来通りオペレーターが建機を操縦する必要があります。
  
ここからは、マシンコントロールとマシンガイダンスについて詳しく見ていきましょう。
  
   

建機を自動制御するマシンコントロール(MC)

    
先述した通り、施工箇所の3D設計データを利用し、建機をリアルタイムで半自動的に操縦する機能のことをマシンコントロールといいます。マシンガイダンスに油圧制御の機能を加えた技術で、バックホウやモーターグレーダー、ブルドーザーなどに対応できます。
 
TSやGNSSといった測位技術で建機の位置を正確に計測し、その情報をオペレーターに送ります。タブレット端末等でオペレーターが情報をチェックすることで、設計のデータと実際の位置の間に生じた誤差の確認が可能です。
  
操縦前に入力したデータを元に、建機が半自動で操縦されるので、経験が浅いオペレーターでも操縦ができます。例えばバックホウの場合、設計値以上に深く掘りすぎないように制御してくれるのです。
   
    

建機操縦者に情報を提供するマシンガイダンス(MG)

    
先述した通り、TSやGNSSといった測位技術で取得した位置情報をもとに、建機の操縦をサポートする機能のことをマシンガイダンスといいます。バックホウやブルドーザー、ロードローラーなどに対応可能で、3D設計データ等の活用が可能です。
  
オペレーターは送信された情報を元に、自らの手で建機を操縦する必要があります。マシンコントロールのような半自動の操縦機能はありませんが、データによる正確な情報の提供が可能です。これにより、例えばバックホウの刃先位置に対して、口頭指示や重機を乗り降りして行う細かな調整作業が不要となります。熟練の技術が求められる法面整形などの作業も、マシンガイダンスの活用により一定の完成度で実施できるのです。
  
  

マシンコントロールとマシンガイダンスの違い

    
マシンコントロールは車の自動運転のような機能で、必要に応じてオペレーターが操縦を行います。その点、マシンガイダンスは、車のカーナビのような機能であり、オペレーターが自らの手で建機を操縦する必要があります。
  
熟練の技術が求められた従来の作業も、マシンコントロールを活用することで若手でも実施が可能です。業務効率の向上や、技術者の人手不足解消が望めます。
  
だだし、オペレーターの技術向上や維持が見込めるのはマシンガイダンスです。マシンコントロールがない現場に携わる場合もあるため、オペレーターの技術向上や維持は必要不可欠です。

従来の施工作業と比較したMC/MGのメリット


   
マシンコントロールやマシンガイダンスがない時代は、細かい丁張りなど作業前にさまざまな準備が必要でした。操縦するオペレーターは、丁張りを目視でチェックしながら操縦を行うため、熟練の技術が求められていたのです。
  
また、現場にはオペレーターだけでなく補助員も必要で、人手不足や作業効率のダウン、安全性の確保が困難など、多くの問題を抱えていました。それに比べて、マシンコントロールやマシンガイダンスを導入した現場は以下のようなメリットが得られます。
  
● 施工作業の効率化
● 稼働時間や仕上がりがオペレーターのスキルに左右されない
● 安全性が高くなる
● 若いオペレーターを育てやすい
● 人手不足の中でも生産性を上げることができる
● コストの削減
● 不安定な天気や夜間でも操縦が可能
 
特に工期が迫っている現場は、悪天候や夜間での作業が必要になる場合があるため、安全性の確保は十分にしなければなりません。そのため、マシンコントロールやマシンガイダンスによって安全性をカバーしつつ、効率的に作業を進めることが重要になります。

AKTのICT施工対応製品


 
AKTでは、GNSSを活用したICT施工対応製品を多数提供しています。今回は、マシンガイダンスを行うためのシステム『SmartRoller』『SmartPile』『GPGlove』『GPMate-ECHO』の4製品を紹介いたします。
   

NETIS番号:OK-170005-VE
『SmartRoller』 クラウド型転圧管理システム

  
SmartRoller(スマートローラー)は、GNSSを用いたICT転圧管理システムです。

国土交通省「TS・GNSSを用いた盛土の締固め管理要領」に対応したシステムであり、GNSSにより走行軌跡が記録され、転圧した回数が色分けで表示されます。これにより人為的なミスによる締固め不足や、オペレータによる品質の差をなくすことができます。

『SmartRoller』 クラウド型転圧管理システム:製品詳細を見る

   

『SmartPile』 クラウド型地盤改良管理システム

SmartPile GNSS
   
SmartPile(スマートパイル)は、GNSSを用いて杭芯の位置誘導と施工状況の進捗管理を行うシステムです。
  
従来の施工機誘導で生じていた「人員と手間のかかるTSを使用した事前測量」「施工結果が残らない」「誘導員と施工機が近いために起こる接触事故」などの問題点を、IoT技術とRTK-GNSSで改善した地盤改良管理を実現します。取得した位置座標を使用することで施工機の位置と方向を表示し、オペレーター自身で施工機の誘導を行え、施工時に施工結果を残すことが可能になります。
  

『SmartPile』 クラウド型地盤改良管理システム:製品詳細を見る

 

『GPGlove』 グラブ船誘導管理システム


   
GPGlove(ジーピ-グローブ)は、GNSSやTSの位置データを利用した位置誘導システムです。
   
現在位置と目標位置をパソコン画面上に表示し誘導と記録を行い、施工完了箇所は画面上で色付けされるため面的な進捗管理が可能になります。主には、漁礁設置や浚渫工事における作業船位置・ブームの誘導、地盤改良や杭打ち工事における重機位置・ブームの誘導などに用いられます。

『GPGlove』 グラブ船誘導管理システム:製品詳細を見る

  

『GPMate-ECHO』 GNSS深浅測量システム

深浅測量システム
   
GPMate®- ECHO(ジーピーメイト・エコー)は、GNSSを用いた深浅測量システムです。
   
GNSSの位置座標と音響測深機の測深値を時刻同期して、自船位置の深さをリアルタイムで表示・記録します。深浅測量だけではなく、旗入れ、浮標灯、漁礁設置などの目標点誘導にも利用可能で、海岸や航路、河川やダムなど、様々な現場で導入されています。

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まとめ


     
建設現場におけるICTの活用や導入は、今後さらに広まると考えられます。特にICTを活用したマシンコントロールやマシンガイダンスは、現代の建設現場に必要不可欠な技術です。作業効率のアップ、安全性の確保、人手不足の解消など、さまざまな効果が期待できます。
  
最新技術は操縦が難しそう、導入ハードルが高そうというイメージを持っている方も少なくありません。しかし、一度やり方を覚えてしまえば簡単に操作が可能です。現場に合わせた製品を探し、導入を検討してみてください。
  
  

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