制度・補助金
NETIS(新技術情報提供システム)について解説!
AKTの対象製品をご紹介
公共工事等における業務効率化と共に、入札においてもメリットが享受できるシステムがあることをご存知でしょうか。それが国土交通省の運営する「NETIS(新技術情報提供システム)」です。
今回はNETISの仕組みや使い方、登録技術の提案・活用によって得られるメリットほか、AKTが提供するNETIS登録製品を一挙ご紹介します。
- 建設業向け
- インフラ保全業向け
NETIS(新技術情報提供システム)の仕組み
NETIS(新技術情報提供システム)の概要、基本的な仕組みは以下の通りです。
NETISとは
NETISとは、国土交通省が運営するデータベースで「New Technology Information System」を略したものです。民間事業者などによって開発され、インターネット上での公開が2000年、本格運用が2006年よりスタートしました。
NETISの目的
NETISは公共工事等において活用されますが、主な目的は以下の2点です。
・新技術による積極的な開発を促進すること
・優秀な技術を有する企業をサポートすること
NETISでできること
NETISでできることは、主に以下の2点です。
・新技術情報の登録
申請を通じてNETISに登録された新技術は、原則として5年間掲載され、閲覧可能な状態となります。高評価の技術では、掲載期間が最長10年前延長されるケースがあります。
・新技術情報の評価情報等の検索/閲覧
登録された新技術情報は誰でも検索や閲覧可能で、公共工事などで活用市大信技術を探すことができます。
NETIS登録技術の提案・活用によって得られるメリット
NETIS登録技術の提案・活用によって得られるメリットは、大きく分けて以下の3点となります。
信頼できる新技術を活用できる
NETISには、新技術がいくつも登録されています。これらの新技術の活用により品質の向上、工数の減少、工期の短縮、さらに人件費等のコスト減少も期待できます。
総合評価方式の入札で加点が期待できる
総合評価方式は、価格と「価格以外のメリット」を数値化し、総合的な評価によって落札者を決定する入札方式です。NETIS登録技術の採用・活用を提案することは、技術評価点における「価格以外のメリット」の加点にもつながり、落札の可能性を高めることが期待できます。
工事成績評定で加点され、次回入札に有利に働く
工事成績評定は、発注者側が工事の完了に際して実施する採点評定です。 NETIS登録技術の提案・活用は、工事成績評定において加点の対象となり、他社と差をつけることが期待できます。また、NETIS登録技術の活用によって、品質の向上、工数の減少、工期の短縮等の実績を残すことは自社のアピールにもつながり、以降の入札が有利となることも期待できます。
NETIS登録情報の検索方法
NETIS登録情報は、国土交通省のホームページに設置された専用ページより検索することができます。NETIS登録情報の検索方法は、主に以下の2つとなります。
キーワードを打ち込んで検索する
「検索キーワード」と書かれたウィンドウに、技術の名称、あるいはNETIS登録番号を打ち込むことで、希望する登録情報が検索できます。
チェックボックスを利用して検索する
「有用な新技術の選択」「旧実施要領での技術の位置付け」等の各種チェックボックスにチェックを入れたり、「工種」「評価点」等のプルダウンメニューより選択することで、希望する登録情報が検索できます。
AKTの対象製品をご紹介!
NETIS登録新技術の対象となる製品には、どのようなものがあるのでしょうか。
AKTの対象製品をご紹介します。
『SmartRoller』 クラウド型転圧管理システム
NEITS登録番号:OK-170005-VE
舗装工や締固め工における転圧管理が可能なシステムです。GNSS、TSを利用することで、転圧の回転数、転圧した場所等の情報を記録・共有します。施工中の転圧回数など、リアルタイムでの施工状況の確認も可能で、安定した施工品質のキープに役立てることができます。
『VasMap』 工事用車両運行支援システム
NEITS登録番号:QS-160016-VE
工事用車両のリアルタイムな動態管理が可能なシステムです。業務中の車両の現在位置、走行速度、積載状況等を記録・共有し、日報や報告の作成も自動で行えます。この他、メッセージの送受信機能や、音声によるドライバーへの注意喚起等を備え、業務効率化と安全運転をサポートします。
『P-Sight』 光学式杭打ち挙動計測システム
NEITS登録番号:KT-190085-A
ハイスピードカメラによるデジタル計測が可能な杭打ち支援システムです。ハイスピードカメラによる挙動のデジタル計測により、従来のアナログ計測では生じやすかった誤差を解消。離れた位置からの計測が可能で、なおかつ杭体損傷の予防警告機能も有することで、作業の安全性向上も期待できます。
船員位置管理システム
NEITS登録番号:QSK-190001-A
船員の動態管理が可能な一元管理システムです。船員に専用アプリの入ったスマートフォン端末を携帯してもらうことで、リアルタイムで船員の位置を見える化します。アプリを利用して呼び出しや作業指示が行えるほか、危険エリア等の侵入に際しては、警告音とアラート表示を発令します。
『W・M・S』 作業員位置監視システム
NEITS登録番号:QSK-190007-A
海上作業船員の位置確認と異常検知が可能なシステムです。作業員にGPS 端末を携帯してもらうことで、作業員の位置を5秒毎に送信して可視化。危険エリアの進入に際して、警告音やアラートで注意喚起するとともに、海への落下、同じ場所で動かないといった異常も速やかに通知します。
『航行MSCO/DRA ムスコ』 海陸交通災害防止システム
NEITS登録番号:KTK-100007-VG / KTK-170008-VE
船員の動態管理が可能な一元管理システムです。船員に専用アプリの入ったスマートフォン端末を携帯してもらうことで、リアルタイムで船員の位置を見える化します。アプリを利用して呼び出しや作業指示が行えるほか、危険エリア等の侵入に際しては、警告音とアラート表示を発令します。
『Generation-Eye』 遠隔臨場システム
NEITS登録番号:KT-190074-VE
スマートグラスを利用して、現場状況の映像共有と指示を実施することができるシステムです。距離の離れた、スマートグラス着用の作業員(現場)と事務所等をつなぐことで、緊急時の確認や検査、移動時間の削減、技術者教育などさまざまに活用することができます。
『E2Warning』 工事車両退場警報システム
NEITS登録番号:QS-210049-A <2022.01.07 更新>
79GHz帯のミリ波レーダーを用いた工事車両向けの退場警報システムです。雨や霧などの荒天時や視界に入らない移動体の位置をレーダーで捉え、ドライバーに注意喚起を行うことで、工事車両の退場をサポートします。
ミリ波レーダー水位波高計測システム
NEITS登録番号:KTK-210019-A <2022.03.30 更新>
24GHz帯のミリ波レーダーを用いた水位波高計測システム。レーダーを橋梁や水道設備などに固定し、水面に向かって垂直に照射することで、水位と波高を非接触に計測することができます。
『バケットストップ』バケット作業安全確認システム
NEITS登録番号:QSK-220001-A <2023.01.16 更新>
バケットストップは、GNSSを用いたバケット作業の安全支援システムです。クレーンの作業限界半径やブーム角を事前に設定することで、範囲を超えた際にブザーとパトライトで注意喚起を行います。
『EagleEye』クラウド型変位計測システム
NEITS登録番号:QS-230011-A <2023.07.05 更新>
EagleEye(イーグルアイ)は、GNSS受信機を用いた変位計測システムです。トンネル掘削時の地山の挙動や、道路やダムののり面、工事現場における山留めや土留めなどの変位を長期的に監視します。
『GPGlove』グラブ船誘導管理システム
NEITS登録番号:KTK-230005-A <2024.01.09 更新>
GPGlove(ジーピ-グローブ)は、GNSSやTSの位置データを利用した位置誘導システムです。現在位置と目標位置をパソコン画面上に表示し誘導と記録を行い、施工完了箇所は画面上で色付けされるため面的な進捗管理が可能になります。
『LRWarning』車線規制工事警報システム
NEITS登録番号:QS-210049-A <2024.01.22 更新>
77GHz帯ミリ波レーダーを使用し、高速道路や一般自動車道上にある工事用車両出入り口から車両が安全に出庫するためのシステムです。工事用車両出入り口より任意の箇所に77GHz帯ミリ波レーダーを設置し、後方より車両が接近していないかを知らせます。
まとめ
NETIS(新技術情報提供システム)では、各分野の業務効率化が期待できる、さまざまな新技術が紹介されています。NETISに掲載されている新技術を提案・活用すれば、品質の向上やコストカット、総合評価方式の入札や工事成績評定の加点にもつながり、入札の可能性を高める有効な手段となります。制度の詳細はNETISのホームページをご確認ください。