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令和4年度 i-Constructionに関する工種類拡大の内容を解説!

国土交通省は2022年3月、令和4年度以降のi-Construction(アイ・コンストラクション)をさらに加速するため、「i-Construction 推進のための基準要領等の制定・改定について」を発表しました。
 
小規模現場でのICT施工を可能にする「実施要領」を策定したほか、ICT施工の工種を更に拡大し、基礎工の構造物の出来形管理や検査においても、新たに基準要領が設定されました。改訂されたポイントについて、分かりやすく紹介します。

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国土交通省推進のi-constructionとは


  
国交省が強力に推進するi-Constructionとは、2025年までにICTの導入で建設現場の生産性向上を図る政策で、2015年からスタートしました。i-Constructionには以下の3つの柱があります。
 
1.ICTの全面的な活用(ICT土工)
2.規格の標準化
3.施工時期の標準化
 
なかでも、ICT土工が大きなポイントで、国や地方公共団体などが発注した土木工事に関してICT施工と3次元データによる納品を導入するとともに、ICTを導入し優れた成果を上げた建設業者を毎年表彰しています(i-Construction大賞)。
   
参照:i-Constructionについて – 国土交通省

i-Constructionのこれまでの取り組み


  
i-Constructionはいわば、建設現場のデジタル化です。深刻な人手不足と高齢化が進む建設業界を3K(きつい、汚い、危険)職場から新3K(給料が高い、休暇が取れる、希望がある)職場へ変えようと国交省が推し進めているのが、生産性向上プロジェクトであるi-constructionです。
 
i-Constructionの取り組みとして、工事の種類が2015年から2021年までにかけて徐々に拡大しています。土木工事から始まり、舗装工事、河川・港湾の浚渫工事、法面工事、地盤改良工事など、さまざまな種類の工事にICTが活用されています。
 
ドローンやレーザースキャナーで3次元データを取得し、出来形管理に活かす取り組み、ICT搭載の建機から得たデータを共有するなど、さまざまな分野でICT化が進んでおり、未経験者でも短時間で成熟したオペレーションが行えるようになっています。

令和4年度のi-Constructionの工種拡大の内容


   
令和4年度の制定・改定では、工種が小規模工事にも拡大されたのが大きな特徴です。ICT施工の経験が少ない中小建設業者への導入促進を図るための施策でも、ICT土工(小規模施工)、ICT床堀工、ICT小規模土工、ICT法面工に関する実施要領が作られました。
  
ICT構造物工(基礎工)も維持管理として3次元データを活用できるようになったほか、橋梁上部工も直轄工事に試行できるようになりました。
  
新たに拡大された工種の内容について詳しくみていきましょう。
  
 

小規模施工、床堀工、小規模土工

   
小規模施工、床堀工、小規模土工、法面工が令和4年度分として新たに適用されました。
 
それに伴い、小規模な現場に特化した「ICT実施要領等」を策定し、中小建設業者にもICT導入を促進しています。適用範囲や施工フローなどをまとめた実施要領によると、都市部や市街地などの狭小現場でも、現場状況に応じて施工方法を選択できるようになったほか、小型のマシンガイダンス(MG)技術を搭載したバックホウを使えるようになりました。
 
ICTを活用することで、切盛土のときに行っていた丁張(ちょうはり)作業が不要となるため、土工作業全体を迅速化できます。さらに、現場の補助員を削減できるため、安全性の向上が期待されています。
  
ICT土工、床掘工、小規模土工、法面工における出来形・出来高計測は、衛星測位(GNSS)やトータルステーション(TS)を使った断面管理が標準となりました。さらに面管理を行う場合は、従来の面管理手法に加え、市販のモバイル端末が使えるようになります。
  
   

ICT構造物工(基礎工)

   
基礎工もICT構造物工の一つとして新たに加わりました。
 
構造物工の関連工種として、基礎工の出来形管理に3次元計測技術を活用し、出来形計測にかかる時間の短縮を目指します。矢板・既製杭での出来形管理に用いられていた民間提案の要素技術がTS等光波方式であったため、より広く活用できるよう、このTS等光波方式を用いた出来形管理が新たに認められました。また、場所打ち杭についてTLS等の三次元計測技術を用いた出来形管理が新たに認められました。
  
   

ICT構造物工(橋梁上部工)

   
橋梁上部工も、国や地方自治体などの直轄工事に試行できるようになりました。
  
構造物工の関連工種として、橋梁上部工の出来形管理に3次元計測技術を活用し、出来形計測にかかる時間の短縮を目指します。さらに、橋の上空の高さ、車道境界線など、竣工時に計測した3次元データを維持管理に活用できるかを検討することになりました。

まとめ


    
i-Construction は2025年まで続く、建設業界のデジタル化を進める生産性向上プロジェクトです。国土交通省は、令和4年度分として小規模現場へもICT活用ができるように工種を拡大し、i-Construction の取り組みをICT施工の経験が少ない中小建設業者も行えるようにしたほか、床堀工、小規模土工、法面工、基礎工、橋梁上部も追加適用しました。
  
さらなる工種拡大により、建設現場のICT活用は広がりをみせることでしょう。
   
参考サイト:「ICTの全面的な活用」の実施に関して – 国土交通省    
  

BLOG:国土交通省『ICT建設機械等認定制度』について

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