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基礎知識

AIカメラとは?工場や製造業での活用事例や導入メリットを詳しく解説

AIカメラとは人工知能を搭載したカメラのことで、映像の分析や判定をすることができます。AIカメラを導入することで、安全対策や業務効率化に役立てることができるため、製造業をはじめ様々な業界で近年注目されています。
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この記事では、AIカメラで何ができるのか、AIカメラを導入するメリット・デメリットやAIカメラの課題、実際の活用事例についてもご紹介します。

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工場・製造業で導入されるAIカメラとは


  
AIカメラとは、人工知能(AI)を搭載したカメラのことで、映像や画像の人の動きを分析・解析することができます。近年では製造業の倉庫や工場などで導入される機会が増えており、映像から危険な行動や動作が見られた場合に、AIがそれを自動的に検知し警告音を鳴らす等の使い方がされています。
     
これまで全て目視で監視業務を行なっていた現場にAIカメラを導入することで、人的ミスの軽減や業務効率化を図ることができ、他の作業に注力するリソースが確保できます。
 
 

AIカメラの機能・できること

  
映像の分析・解析ができるAIカメラですが、具体的にどのような機能があるのかご紹介します。
  
【主な機能】
・ オブジェクト(モノ)の検知・検出
・ 顔や人の検知・認証
・ パターンの検知・識別
・ 文字の検知・識別
・ 領域の検知・識別
 
一般的に普及しているAIカメラは、人の行動だけでなく、さまざまな項目を分析することが可能なため、幅広いシーンで活用されています。それぞれの機能や特徴についてご紹介します。
  
 

■ オブジェクトの検知・検出

 
オブジェクト検知に特化したAIカメラでは、映像や画像から特定のモノを検出できます。人はもちろん、車や動物、映像に映り込んだ特定の対象物を検知することができます。
 
例えば、検品工程で破損がないかを確認する工程で、AIカメラが自動的に破損の有無を検知することなどに使われます。モノの検知に特化しているため、商品の検品だけでなく、セキュリティ監視や交通管理、医療分野までさまざまなシーンで活用できます。
  
  

■ 顔や人の検知・認証

 
人の検知に特化したAIカメラでは、顔の特徴や骨格構造まで識別できるため、個人を特定することが可能です。顔認証や顔認識とも呼ばれます。事前に登録しておいた人の顔を検知し、情報と紐づけることも可能です。
   
例えば、来店した顧客の出入りの管理・社員の勤怠管理、不審者の検知なども可能です。人の検知に特化しており人数のカウントもできるため、混雑状況を管理するといった活用方法もあります。
    
  

■ パターンの検知・識別

   
パターン識別に特化したAIカメラでは、特定の行動パターンや動き・物体の配置パターンを検知することが可能です。あらかじめ設定した特徴をもとに、同じパターンであるか否かを識別します。特定の動きをした人物に対し音声メッセージを送り、カメラ越しに指示を出すといった使い方も可能です。
  
パターンを学習させることで、大勢の人の中から特定の人物を見つけることや異常な挙動をピンポイントに発見できます。そのため、不審者の行動検知や盗難防止、製造プロセスの異常検知などに活用されます。
  
   

■ 文字の検知・識別

 
文字認識に特化したAIカメラでは、カメラに映った文字を読み取ることができます。

印刷された文字だけでなく手書きの文字も認識でき、さらには翻訳機能や読み上げ機能が搭載されたものもあります。精度も高く、文字起こしや目が不自由な人のサポートにも活用されます。
  
   

■ 領域の検知・識別

  
領域識別に特化したAIカメラでは、領域や境界線の検知ができ、この機能はセグメンテーションと呼ばれます。

一つの映像の中で、人や道路、樹木や看板などを見分けて境界線を判別できるため、侵入禁止エリアへの人の侵入や不正利用の監視などに活用することが可能です。工場や製造業などでも、危険エリアへの侵入を防止するなど、フォークリフト操作時の安全確認などに利用されています。

 

従来の監視カメラとの違い

 
防犯目的で利用することも可能なAIカメラですが、従来の監視カメラ(ネットワークカメラ)とは基本的に異なるものになります。
 
従来の監視カメラは、主に防犯目的で使われることが多く、映像や画像を記録するにとどまるため、リアルタイムで人間が監視し、人の手で確認作業やデータ分析を行わなければなりません。
  
一方でAIカメラは、従来の監視カメラ機能に加え、映像内の人物・モノが何であるか、何をしているかを検知し、場合によっては警告音を鳴らすことも可能です。
    
撮影と分析、さらに分析結果に対するアクションまでを一貫してリアルタイムに行うことができるため、工場での事故防止や業務の効率化にも活用できます。
     

 

AIカメラの種類

   
AIカメラは、AIの搭載方法に違いによって、主に以下の2種類に分けられます。
  
【主な種類】
・ クラウドAIカメラ
・ エッジAIカメラ
  
それぞれの特徴やどのようなケースに向いているのか解説します。
  

■ クラウドAIカメラ

 
クラウドAIカメラは、AIによる映像処理をクラウドサーバー上で行います。
 
AIカメラによって撮影された映像は、インターネットを通じてクラウドに送信。映像の処理をカメラではなくクラウド上で行うため、大規模なデータを扱う場合や複数のカメラのデータを統合して解析したいというケースに向いています。
  

 
クラウドAIカメラの場合、定期的なアップデートや拡張機能にも対応しているため、必要に応じて必要な機能を追加することが可能で、さまざまな用途に合わせてカスタマイズしやすいメリットがあります。
  
ただしクラウドに送信する必要があり、映像に含まれる情報を外部に持ち出すことになるため、セキュリティ面で情報漏洩の心配がないか精査しなければなりません。
   
大規模な情報をじっくりと分析・解析する必要がある場合は、クラウドAIカメラがおすすめです。
  

■ エッジAIカメラ

 
エッジAIカメラは、AIによる映像処理をカメラ自体やエッジデバイスで行います。
  
AIカメラによって撮影された映像は、ネットワークやその他クラウドを経由することなく、その場で解析・分析が行われるため、リアルタイムで処理できます。
  

   
また外部デバイスへ情報を送信する必要がないため、通信量を削減できることや、外部へ送信中にデータが漏洩するといったセキュリティ面の心配が少ないメリットがあります。
  
ただし、クラウドAIと比較すると、機能が限定的である点、機能のアップデートなどが行えない点などデメリットもあります。簡単な処理のみで完結する作業であればエッジAIカメラが向いています。
  

AIカメラの導入メリット

   
製造業や工場でAIカメラを導入すると、以下のようなメリットが得られます。
   
【AIカメラ導入の主なメリット】
・ 人件費を削減できる
・ 現場の安全性が向上する
・ 業務を効率化できる

  
製造業や工場でのAIカメラの使い道もさまざまです。
   
例えば、検品作業においてAIカメラを導入した場合、AIカメラが破損などを検出できるため、人的ミスを防ぎ効率的な検品が行えます。
   
また、フォークリフトやマシンを扱う工場や倉庫で導入する場合、機械が稼働中に危険なエリアに人が立ち入った際に警告音を鳴らすなど、事故を未然に防止することもできます。
    

AIカメラの導入デメリット

      
AIカメラの導入にあたり、以下のようなデメリットが考えられます。
   
【AIカメラ導入の主なデメリット】
・ 導入にコストがかかる
・ 情報漏洩等のリスクがある

  
従来の監視カメラと比較するとAIカメラはコストがかかります。どのような機材やサービスを選ぶかによっても大きく異なりますが、機材の費用以外にもクラウドサービスの利用料や通信料など、運用にかかるコストについても考慮しておく必要があります。
  
またデータ情報を扱う以上、セキュリティ面で信頼のできるサービスを選ぶ必要があります。特にクラウドAIカメラを採用する場合は必ず導入前に確認してください。

現場でのAIカメラの活用事例


    
工場や製造業の現場でどのようにAIカメラを活用できるのか、活用事例をご紹介します。
  
【主な活用事例】
・ 危険なエリアへの立ち入り検知・入退室管理
・ フォークリフトなど車両周りの作業者検知・警告
  

危険なエリアへの立ち入り検知・入退室管理

 
工場や倉庫における危険エリア立ち入りの検知や入退室管理などに活用できます。
 
さまざまな機械を扱っている工場では、危険が伴う場面も少なくありません。危険な作業がある工程では、出入りできる人を制限するなどの対策を講じる企業が多いです。出入り口に注意書き・コーンを置くなど注意喚起を促しますが、従業員一人ひとりの意識に委ねられるため、不注意によって事故が起きてしまうリスクもあります。
 
AIカメラを設置すれば、誤って侵入してしまった場合にもリアルタイムで警告できるため、未然に事故を防ぐことが可能です。
   

フォークリフトなど車両周りの作業者検知・警告

  
AIカメラはフォークリフトを扱う現場の安全対策としても効果的です。
  
フォークリフトにAIカメラを設置することで、車両周りやオペレーターから死角になるエリアに人がいないかどうかを検知・警告することができます。
 
 
【フォークリフトに起因する災害発生件数の推移】

出典:一般社団法人日本産業車両協会|フォークリフトに起因する労働災害の発生状況  

様々な対策が講じられているにもかかわらず、フォークリフトに起因する事故は残念ながら減少していません。フォークリフトに起因する災害件数は、一時減少傾向にありましたが、再び増え始め2022年には10年前を上回っていることが分かります。

【死傷災害/死亡災害の事故型別傾向】

出典:一般社団法人日本産業車両協会|フォークリフトに起因する労働災害の発生状況  
    
その他にも、現場では「転倒」や「墜落・転落」による死亡災害が過去5年で増加しており、工場などの作業現場での安全管理・事故防止は喫緊の課題といえます。
   
このような災害に対して、AIカメラを導入することでより効果的に注意喚起をすることができ、事故発生を未然に防ぐことにつながります。

現場にAIカメラを導入する際の課題

現場にAIカメラを導入する際に、課題となりやすい点とその対策についてご紹介します。

【AIカメラ導入における主な課題】
・ AIカメラに関する知識の習得
・ 自社に合う最適な機器の選定
 
 

AIカメラに関する知識の習得

 
AIカメラではさまざまなデータ分析が可能ですが、最大限に活かすためには、ある程度の知識が必要です。
 
AIカメラの種類によっても、できること・できないことがあるため、事前にAIカメラ導入の目的を明確にし、どのような機能を重視すべきか検討する必要があります。
 
またAIカメラで撮影された映像は、場合によっては個人情報を含むものもあります。こうしたデータは、扱い方を間違えると意図せず法を侵してしまうリスクがあるため注意が必要です。
 
このように、AIカメラを導入するにあたり、取得データの扱い方について事前に学習する必要があります。社内での人材育成が難しい場合は、外部のサービスやサポートを利用する方法も一つでしょう。
  

自社に合う最適な機器の選定

 
AIカメラにはさまざまな機能を搭載したものがあり、コストも大きく異なります。
  
人気のある高性能で高額なカメラが必ずしも最良であるとは限りません。自社に最適なAIカメラを選ぶことで導入コストを抑え、費用対効果をしっかりと得ることができます。

後付けできる重機用作業者検知AIカメラ『IVIEW+』とは


    
AKTでは、AIカメラが標準搭載されていない重機にも簡単に後付けできる、重機用作業者検知AIカメラ『IVIEW+』を提供しています。

近年、多くの現場で安全対策への意識は高まっており、フォークリフトをはじめとしたさまざまな重機にAIカメラが搭載されるケースが増えてきました。最新機種などの多くは標準搭載されていますが、古い機種やレンタル機など搭載されていない重機もあり、これらに対しても同様に安全対策が求められます。
  
IVIEW+ はこうした古い重機にも、後付けで手軽にAIカメラを搭載することができます。重機ごと買い替える必要がなく、コストを抑えながら安全を確保することが可能です。
   

    
  
【IVIEW+の特徴】
・ 最大4台の小型AIカメラで作業者を検知
・ 7インチのモニターで状況を確認
・ 92dBの大音量スピーカーで警告

   
立っている作業員はもちろん、しゃがんでいたり座っている場合であってもAIが人として検知するため、リアルタイムで誤差なく現場作業者を認識できます。機械のオペレーターに対しては、警告音のみならずモニターを通じても接近を知らせるため、現場での事故を最小限に抑えることが可能です。
   

IVIEW+:製品詳細を見る

まとめ


    
製造業や工場など機械を扱う現場では、事故を未然に防ぐ安全対策が喫緊の課題です。
  
AIカメラをうまく活用することで業務効率化を進めながら効果的な安全対策を行えます。
是非一度AIカメラの導入を検討してみてください。
 

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