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傾斜監視システムとは?目的や期待される効果、特徴について解説!

斜面の変位計測や橋梁架設工事の傾斜監視などにおいて広く活用されている『傾斜監視システム』。

本記事では、傾斜監視システム導入のメリットとともに、AKTの対象製品についても紹介しています。業務におけるコスト削減や効率化に向けて、ぜひ参考にしてみてください。

  • 建設業向け
  • メーカー向け
  • インフラ保全業向け

傾斜監視システムとは


  
傾斜監視システムとは、構造物や斜面の傾斜を高精度に常時計測できる監視システムです。

斜面や法面、鉄塔などの傾斜監視や、橋梁や山留、落石防護柵の監視など、目視が困難な場所や危険が伴う場所などで用いられています。また、傾斜監視だけでなく、害獣捕獲を衝撃センサーで感知するといった鳥獣対策の分野などでも利用されています。

傾斜監視システムの必要性

橋梁架設工事では、高所作業が主となる墜落転落、飛来落下、倒壊崩壊の事故を発生させる危険性が高く、様々な対策が講じられています。

倒壊事故再発防止などの観点から「仮設構造物については、その変位など安全管理上必要な項目について常時計測を行うとともに計測結果を十分に確認すること」と国土交通省が通達を出しており、目視やトータルステーションによる従来のアナログ測定だけでは対応できない『常時計測』が求められるようになりました。
  
傾斜監視システムを用いることで、傾斜を精密に常時計測することが可能になります。また、危険の伴う高所や夜間の計測など、業務の安全面を考慮するといった点でも、傾斜監視システムの導入が進められています。

傾斜監視システムの導入で期待される効果


 
傾斜監視システムを導入することで期待される効果として、以下が挙げられます。

・常時計測が行える
・計測の安定性
・目視では確認不可能な挙動を把握できる
・点検業務を省力化できる
・計測したデータを管理できる

常時計測が行える

傾斜センサを設置することで、夜間や休日等を問わず常時計測することができます。

計測の安定性

従来のアナログ測定で生じていた人による計測誤差がなくなり、安定した計測が実現できます。

目視では確認不可能な挙動を把握できる

傾斜センサによって分解能に差はありますが、目視では確認不可能な傾斜を精密に計測することができ、夜間や荒天時においても常時監視を実現します。

点検業務を省力化できる

傾斜センサを一度設置するだけで、計測が困難な場所でも変状を無人で監視することができます。パソコンなどを通じて遠隔で監視できるため、点検業務を大きく省力化できます。

計測したデータを管理できる

目視やトータルステーションによる従来の測定と比較し、常時計測による定量的な観測が可能となるため、蓄積されたデータをもとに今後の対策について考えることが可能となります。

傾斜監視システムの特徴

 

傾斜監視システムの特徴としては、主に以下の3点が挙げられます。

・傾斜センサの設置が簡単
・管理コストを抑えられる
・細かな傾斜も監視できる

傾斜センサの設置が簡単

傾斜監視システムの多くは、電源を確保し傾斜センサを各測定箇所に設置するだけで使用できます。設置が簡単であることから設置コストを抑えることができ、緊急性の高い場合にもすぐに導入・計測をはじめられます。

管理コストを抑えられる

機器構成がシンプルなためイニシャルコストが抑えられ、また無人での常時計測が実現できることで、点検業務を省人化しランニングコストも最小限に抑えられます。

細かな傾斜も監視できる

目視では気づけない微細な傾斜を早い段階で把握できることで、変状の初期段階で対応を講じることが可能です。微細な傾斜を遠隔で常時計測できることが最大の特徴です。

『ClinoWeb』クラウド型傾斜観測システム

『ClinoWeb』(クリノウェブ)は、橋梁架設や構造物における傾斜を精密に計測・監視するシステムです。計測データは専用のWEBサイトでどこからでも確認でき、設定した閾値を超えた場合は管理者へメールが通知されます。傾斜センサ、LTE通信機一体型のため、計測したい個所に固定し、電源を供給するだけで計測が開始できます。

主な特徴としては、以下が挙げられます。

・2秒に一度のリアルタイム計測
・IP-67の防水仕様のため、雨天時も安心して使用可能
・無人での常時計測を可能にする
・計測範囲±5°、最小分解能0.001°、XY2軸での計測
・クラウド管理のため通信環境があればどこからでもデータ確認が可能である
・閾値を超えた際に二段階での警報をメールで発報
   

『ClinoWeb』 クラウド型傾斜観測システム:製品詳細を見る

『ClinoAlarm』傾斜観測システム


  
『ClinoAlarm』(クリノアラーム)は、橋梁架設や構造物における傾斜を精密に計測・監視するシステムです。ネット回線を用いる『ClinoWeb』と異なり、通信エリア圏外または通信が安定しない現場において、無線機を介して現場事務所へデータを送信できるのが特徴です。
   
現場設置機器は、防水性能を持った無線機・ジャンクションBOX・傾斜センサで構成されており、無線機は免許申請不要の技適適合品を使用しています。現場事務所等に設置した無線機でデータを受信し、専用ソフトを使ってパソコンでリアルタイムにデータ閲覧が可能です。
   

『ClinoAlarm』 傾斜観測システム:製品詳細を見る

まとめ

安全面の配慮や計測精度の向上、業務の省人化など、傾斜監視システムには様々なメリットがあります。また、置くだけですぐに計測でき、特別な操作は不要、管理コストを抑えることもできるため、比較的導入しやすいシステムといえるのではないでしょうか。

特に橋梁架設工事等においては、従来のアナログ測定だけでは対応できない『常時計測』が求められています。是非この機会に導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

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