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深浅測量(音響測深)について

種類別にメリットとデメリットを紹介!

海底や湖底等の地形を正確に測定する方法として『深浅測量』があります。深浅測量は、地形調査や水路工事をする際に欠かせないものであり、正確な測定が求められます。従来の深浅測量は水圧や目盛りを使って行われてきましたが、近年では技術が発展し、音波を用いた『音響測深』が主流になりました。
   
音響測深は、シングルビーム音響測深とマルチビーム音響測深の2つに分けられます。この記事では、深浅測量の基礎知識と併せて、シングルビーム音響測深とマルチビーム音響測深のそれぞれの特性、メリットやデメリットについて解説します。

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深浅測量とは


    
深浅測量とは、海底や湖底など、目視では確認が困難な水面下の地形を測定する技術のことを指します。海底地形の把握・水路測量・防災・環境調査・湾港施設の変状調査・藻場調査を行う際などに用います。
   
深浅測量には、目盛りが付いた鉛の錘を投げて測定する投鉛測深、舟から発信された音波を海底で反射させる音響測深、水圧から換算する方法など様々な種類があります。ここでは、最も一般的な方法である音響測深について詳しく解説していきます。

深浅測量(音響測深)の方法と種類


    
音響測深とは、音響測深機を取り付けた測量船から音波を発信し、海底で跳ね返った音波が戻ってくるまでの時間で水深を換算する方法です。GNSSやTSを活用することで、水深を計りながら自船位置の測位を同時に行うことができます。
  
音響測深機を用いた深浅測量は、大きく分けて以下の2種類が存在します。
  
● シングルビーム音響測深
● マルチビーム音響測深
  
では、この2つには一体どのような違いがあるのでしょうか。具体的に解説します。
   

シングルビーム音響測深とマルチビーム音響測深の違い

      
『シングルビーム音響測深』とは、小型船舶を走行させながら直下の水面に超音波を発信し、海底からの反射音を連続的に記録するという方法です。一回の発信ごとに一点の深度を測定したデータを、専門の記録用紙に記録すると同時に、搭載されているコンピュータ内にデータとして記録されます。
   
『マルチビーム音響測深』とは、一度に広範囲の超音波を発信し、海底で音波が跳ね返った反射音から地形を測定するという方法です。仕組みとして、扇の形で左右方向に発信した超音波を分割して受信し、交点のデータを算出し計測を行います。
   
シングルビーム音響測深は一度の発信で一点しか計測できませんが、マルチビーム音響測深では一度に広範囲の計測が可能です。

深浅測量(音響測深)の方法別 メリット・デメリット


  
シングルビーム音響測深とマルチビーム音響測深には、それぞれ異なる特性があります。いずれの音響測深もメリットとデメリットが存在するため、深浅測量において何を重視するのかを踏まえて選ぶことが重要です。ここからは、それぞれのメリット、デメリットを解説します。導入を検討している人は、どの方法を選ぶかの参考にしてみてください。
  
  

シングルビーム音響測深のメリット・デメリット

    
シングルビーム音響測深には、以下のメリットとデメリットが存在します。詳細な地形が分かりにくいなどのデメリットはありますが、比較的手軽に取り入れやすいため、導入のハードルが低い方法といえます。
     
  
【シングルビーム音響測深のメリット】
● コストを抑えることができる
● 「艤装(ぎそう)」が比較的簡単に行える
  
それぞれの価格はメーカーによって異なるため、あくまで目安となりますが、シングルビーム音響測深におけるシステムの価格帯は、マルチビーム音響測深の10分の1以下となっており、大幅にコストを抑えられます。
 
また、マルチビーム音響測深よりもシングルビーム音響測深のほうが構造上シンプルであるため、船舶への取り付けが比較的簡単に行えることもシングルビーム音響測深のメリットです。
    
  
【シングルビーム音響測深のデメリット】
● 海底の詳細な地形までは分かりにくい
● マルチビームの3Dと比較すると、微細な地形までは分かりにくい

このようなデメリットがあるため、深浅測量を行う上でどこまでの精度が必要なのか考慮し、自船の設備環境や測量場所の環境も踏まえて、適切な音響測深の機器を選択する必要があります。
   
    

マルチビーム音響測深のメリット・デメリット

     
マルチビーム音響測深には、以下のメリットとデメリットが存在します。より詳細な地形の把握、一度に広範囲が測定できるといったメリットがありますが、正確な測定には機器環境の充実が必要となり、その分導入コストが高くなりがちです。
   
  
【マルチビーム音響測深のメリット】
● 3Dデータが取得できる
● より明確に海底の状況が分かる
● 一度に広範囲を測定できる
    
マルチビーム音響測深は、精度が高く、詳細なデータを取得できます。また、一度に広範囲測定できるため、面積が大きい地形調査を行う場合は効果的です。
    
  
【マルチビーム音響測深のデメリット】
● 費用が高額になる
● データの解析に時間がかかる
● 3Dデータの扱いに慣れた人材の確保・育成が必要
● 機材環境を整える必要がある
● 船首の回転が測定結果に大きく影響する
   
船が動揺することにより測定結果に影響が出るのは、シングルビーム音響測深も同様です。しかし、マルチビーム音響測深の場合は船首の回転が大きく影響してくるため、音響測深機器にプラスして動揺センサーや方位センサーなどの機器環境を整える必要があります。そのため、コスト面でもシングルビームより導入のハードルが高くなりがちです。

GNSS深浅測量システム『GPMate-ECHO』がおすすめな理由!

深浅測量システム画面
   
AKTでは、GNSS深浅測量システム『GPMate-ECHO』(ジーピーメイト・エコー)を提供しています。
  
GPMate-ECHOは、GNSSの位置データとシングルビーム音響測深機データを時刻同期し誘導記録するシステムで、市場導入率No.1の実績(当社調べ)があり、海岸や航路、河川やダムなど、様々な現場に採用頂いています。国交省が推進する『i-construction』への取り組みにも貢献できるシステムです。
 
GNSS受信機の自動セットアップや自動潮位補正、測深機の記録紙に自動的にカット線が入るなど、初めて音響測深を利用する人でも扱いやすい構造となっています。また、深浅測量だけではなく、旗入れ、浮標灯、漁礁設置などの目標点誘導など、初心者から熟練の方まで幅広く便利に使える、多彩な機能が搭載されているシステムです。
 

『GPMate-ECHO』 GNSS深浅測量システム:製品詳細を見る

まとめ


     
シングルビーム音響測深やマルチビーム音響測深など、深浅測量の技術は発達しています。
  
音響測深機は導入のハードルが高いと感じる方が多いかもしれませんが、一度操作を覚えてしまえば、簡単かつ正確に測定ができます。特にAKTが提供する『GPMate ECHO』は、自社開発のソフトウェアで市場導入率No.1の実績と、その実績に相応した機能が搭載されています。ぜひこの機会に導入を検討してみてください。
  
  

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