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海上ICT

港湾・海洋土木ICTの種類や特徴について詳しく解説

インターネットの活用が進むなか、ICT施工へのニーズが高まっています。普及が進む陸上土木分野と比較し、港湾・海洋土木分野においては、まだまだ十分といえない状況です。

本記事では、港湾・海洋土木分野のICT化に関する現状の課題や可能性について、詳しく解説します。

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港湾・海洋土木とは


   
以下では、港湾と海洋土木の概要と特徴を解説します。
   

港湾の特徴

  
港湾とは、沿岸に作られた船の出入りや荷物の積み下ろしをするための施設です。
同様に海を利用する目的として作られた施設に「漁港」がありますが、両者は管轄する省庁や法律などが異なります。
   
港湾の管轄は国土交通省で、適用される法律は「港湾法」です。一方、漁港の管轄は農林水産省で、「漁港漁場整備法」によって整備が行われます。国土交通省は人口減少や高齢化社会に備えるために、ICTを全面的に活用する「i-Construction」を推進しており、港湾工事の現場においても情報技術を活用しやすい環境の整備が進められています。
    

海洋土木の特徴

  
海洋土木とは、「人工島の建設」や「海洋調査」「海底トンネル工事」など、海にかかわる工事の総称です。事業規模が大きく、場合によっては他国企業との共同プロジェクトになることもあります。こちらも、主な管轄は国土交通省です。

国土交通省が推し進める港湾・海洋土木ICTとは


     
以下では、ICTとi-Constructionの概要を解説した後に、国土交通省が推し進める港湾・海洋土木ICTについて紹介します。
     

ICT(情報通信技術)

  
ICTは「Information and Communication Technology」の頭文字を取ったもので、日本語では「情報通信技術」と訳されます。簡単に言うと、ITを活用したコミュニケーションのことで、メールやSNSなどのやり取りもICTに含まれます。
   

i-Construction

  
i-Construction(アイ・コンストラクション)は、2016年に国土交通省が「建設業界の生産性向上」のために本格始動させたプロジェクトです。ICTを活用することで、労働者の減少を上回る生産性の向上を目指しています。 
   

港湾・海洋土木ICTの導入の目的

  
港湾・海洋土木のICT導入の目的は、港湾工事現場での生産性向上を通じて、働き方を変えることです。具体的には、以下のような目標を掲げています。
   
● 建設現場における生産性の向上
● 魅力ある建設現場の創出
● 企業の経営環境の改善
● 書類作成に追われる日々や残業からの脱却
● 「きつい、危険、きたない」のいわゆる3K職場からの脱却  など

港湾・海洋土木ICTの今後


   
港湾・海岸土木ICTは現在、国土交通省の施策によって推進されており、浚渫工事に関しては令和2年度より本格的に運用されています。このようなICT活用工事は、今後どのような変革を遂げるのでしょうか。現在の問題に対する解決策と今後について解説します。
    

陸上土木ICTを上回る需要の可能性

  
港湾・海洋土木の現場では、陸上と異なり沖に出ると目印がないケースがあります。
自船の方角や座標情報の取得、施工箇所の把握など、港湾・海洋土木において非常に有用です。
   
また、海上では天候の変動が激しく通信環境も陸上と異なるため、利用環境に適した機器・システムを選定する必要があります。
   

ICTの導入に伴う大がかりな設備投資の見直し

  
港湾・海岸土木におけるi-Constructionを実現させるためには、調査から設計、施工・維持管理までのフェーズにおいてデータを活用できる仕組み作りを整えなくてはなりません。
 
ICTの本格的な導入を行うには、大がかりな設備投資を見直す必要があります。そのため、スマートフォンやタブレットなど、より身近なもので効率化を図る工夫や取り組みが必要であるとされています。
 

人材育成の推進

 
ICTが急速な発展を遂げている一方で、時代の流れに対応できる人材は不足しているのが現状です。人材育成がまだ発展途上であることをうけ、国土交通省は民間の参加者機会を増やす取り組みに注力しています。

後付けのシステムで港湾・海洋土木ICTを実現


   
AKTでは、ICT施工推進の動きが始まる10年以上前から、港湾・海洋土木ICTに関するさまざまな製品やシステムの開発・提供を行っています。以下、一部製品を紹介します。
 

GPMate-ECHO GNSS深浅測量システム

  

  
GPMate- ECHO(ジーピーメイト・エコー)はGNSSを用いた深浅測量システムです。20年以上かけて積み上げてきた実績と自社開発のソフトウェアで、市場導入率No.1の製品(自社調べ)です。リアルタイムで自船位置の深さを表示・記録し、さまざまな計測モードに対応しています。
 

GPMate- ECHO :製品詳細を見る

 

GPGlove グラブ船誘導管理システム

  

  
GPGlove(ジーピ-グローブ)は、GNSSやTSの位置データを利用した位置誘導システムです。現在の位置と目標の位置をパソコン画面上に表示して、記録と誘導を行います。施工完了箇所が色付け表示されるため、面的な進捗管理が可能です。また、実績データが随時記録されていくので、帳票に手間をかけずに作業を進行できます。
  

GPGlove :製品詳細を見る

   

船員位置管理システム NETIS番号『QSK-190001-A』

  

   
船員位置管理システムは、現場で働く作業員の位置を、専用のスマートフォンによってリアルタイムに管理するシステムです。危険なエリアに作業員が入った際、管理者やオペレータに対してアラート表示と警告音で発報します。
 

船員位置管理システム :製品詳細を見る

  

TrackLink 水中測位・位置管理システム

  

  
TrackLink(トラックリンク)は、水中にある機器やダイバーなどの位置情報を得るために実用化された小型のシステムです。ノイズレベルの高い現場環境での誤認を減らすことができ、トランスポンダーと船上装置の間でデータの送受信を可能とします。
 

TrackLink :製品詳細を見る

    

LiS㎥ 運搬船積載量計測システム

  

  
LiS㎥(キュビズム)は、ガット船などの運搬船に積載した材料の体積を、LiDAR-SLAMで計測した3次元点群データとして体積計算プログラムに取り込み、船倉の位置を合わせることで積載量を算出できる運搬線積載量計測システムです。
 

LiS㎥ :製品詳細を見る

まとめ


  
ICTとは、ITを活用したコミュニケーションのことです。
 
国土交通省はICTの活用によって生産性を向上させるi-Constructionを推進しており、労働者の減少を補う以上の生産性の向上を目指しています。現在は、大がかりな設備投資を伴う点や人材不足である点がICTの導入の足かせとなっていますが、国土交通省によってさまざまな対策が取られ改善されることで、港湾・海洋土木ICTの需要が高まっていくと考えられています。
 
施工データの活用や抜本的なオペレーションの見直しなど、本格的な運用を考えると様々な課題が出てきますが、位置誘導システムやアラートシステムなど、単体で取り入れても生産性向上や安全管理に寄与できるシステムが多数ありますので、導入検討をしてみてはいかがでしょうか。

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